脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

野芝適性について

kakikenです。

今回は前回触れた野芝適性についてお話します。

以前馬場にはオーバーシード馬場(野芝と洋芝ミックス)と単馬場(野芝オンリー、洋芝オンリー)があると話しました。それぞれに馬場特徴があり、さらにはエアレーション作業の有無が加わると馬場に関しても多様な状態が生まれるのです。

そうした中でその馬場に適性のある馬を見つけ出すことが私の予想スタイルの基本なのです。その中でも私はこの野芝適性がマッチする芝のレースが得意です。

 

現在、日本の競馬場の芝コースは世界で最も手入れが行き届いていると思います。

最近は全国ほとんどの競馬場の芝にクッション性を高めるエアレーション作業が行われていて、馬にとって脚の負担を軽減する馬場づくりをしています。これは非常にいいことですが、この良質の馬場づくりのために活躍の場を奪われた競走馬、淘汰された種牡馬もいるのです。

 私が考える野芝適性のある馬とは、手入れが行き届いた芝が不向きでダートでしか結果が残せないけど手入れの甘い野芝や開催後半の荒れ馬場だけ好走できる馬です。

野芝にしか適性がない馬といった方がいいかもしれません(笑)。

ただ野芝ならいつでも走るわけではありません。合う条件を見極めなければいけません。しかし、その条件を見極められれば面白いくらい走る馬たちなのです。

 先週日曜新潟で特徴的なレースがありました。

日曜の第12レース3歳上1勝クラスの芝1200М戦。

8番人気で2着した⑨クイックレス

エスポワールシチー。芝のレースで全く実績のないダート血統です。

しかしこの馬の出走レース履歴を見ると昨年9月の野芝開催の中山でデビュー、しかも芝1200М戦の新馬2着、未勝利戦1着と連続好走しています。

この日の新潟の芝はどう考えても傷んできていましたから野芝適性が発揮できる馬場、ならば近走成績など関係なしにクイックレスは狙えると思いました。

 

 このレースではもう1頭野芝適性のある馬⑩キングドンドルマも出走していました。この馬も出走レース履歴をみると9月中山デビューで新馬戦の芝1600Мで13番人気3着。その後5月の手入れの甘い新潟芝1200М戦で10番人気2着。

この馬も狙えると感じましたがこちらは結果は11着。差し馬で脚質が向かなかった?

キングドンドルマに関しては8月29日土曜新潟12レースに同クラスの芝1400М戦がありますので、差しが利きそうなこのレースに出走すれば狙えると思います

 

ちなみにこのレースで私が軸に選んだのは1番人気3着だった②グランチェイサーでした。理由は雨で馬場が渋った時や荒れた馬場の芝の短距離戦では生産牧場村上欽哉の馬が結構好走している と最近気づいてその検証の意味で軸にしました。

結果1番人気3着。微妙な結果でした。

(JRAのホームページにある出馬表から、出走馬の競走馬情報の中に生産牧場の記載がありますのでそこで確認できます。ちなみに私は新聞など一切見ずJRAの出馬表だけ見て競馬をしております)

 

他では日曜新潟第8レース芝2000М戦で9頭立て6番人気2着したシトラスクーラーも野芝適性ありの馬です。この馬デビュー戦の芝で惨敗した後ずっとダートを使っていました。東京ダート1600はゼンノロブロイがいい、という独自ツボでこの馬にはよく的中させてもらっていました。

その馬が昨年6月の東京で突然芝レースを使ったのです(実はこの東京6月というのが重要ポイント!!!)。結果は8番人気5着。そこそこ走ったことをきっかけにシトラスクーラーは芝に矛先を変えました。そして次走福島芝で大敗した後の9月の中山芝2000戦で13番人気2着と初めて芝で連対しました。その後は凡走を重ねて今年5月新潟芝2200М戦で4番人気2着、そして6月東京で連続5着を経て今回のレースでした。

どうです? 好走したのが9月中山、5月新潟。共通点、野芝適性馬の狙いどころが見えてきませんか!

 

では野芝適性馬は野芝しか走らなのか?

実はそうではありません!

このシトラスクーラーが芝に矛先を向けるきっかけになった6月東京の芝のレース。

6月の東京芝は野芝適性がハマる芝なのです!

東京はオーバーシード馬場で、いかに日本一手入れされた競馬場とはいえ10週開催の7週目に突入したあたりから馬場状態が激変します。そして野芝適性がマッチする馬場コンディションに変わります(逆説的に言えば、だから野芝であっても野芝適性がハマらない馬場があるわけです)。

これはオーバーシード馬場のどの競馬場でも言えることです。馬場が変化して野芝適性とマッチする場合があります。特に6月東京は毎年ほぼその馬場状態になります。

ダービーというお祭りが終わって何となくローカル色漂いだす6月の東京こそ、私にとって一番ドル箱の開催なのです。

シトラスクーラーは馬券にこそなっていませんが6月東京のレースは全て掲示板確保してますし野芝適性がある馬だとわかります。

このように競走馬の出走レース履歴を見ることも競馬予想の重要ファクターだと思いますし、私にとって野芝適性を見極めるにはマストの情報なのです。