脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

切れる脚のない馬が切れる脚を使う馬場~東京新聞杯の注目馬~

kakikenです。

 

レースの予想を組み立てるにあたって、出走馬たちのなかでの対戦成績で馬の優劣を比較するやり方がありますけど、あれは有効な予想方法ではないと私は考えます。

その馬場での向き不向きがあるわけですから。大切なのはその時の馬場適性。過去の対戦成績なんて関係ありません。そこにこだわっていると馬券は取れませんし、そのこだわりが無いからこそ拾える穴馬がいるわけです。

馬場適性と言えば例えば中山と東京など、競馬場のごとの適性などは割と気にする人も多いと思います。

しかしもっと細かく見ると、同じ競馬場でも適性の有無があります。重馬場での適性あたりなら誰もが気にするところですけど、春、夏、秋、冬と季節ごとでその適性が違ってくるのです。

 

 例えば東京競馬場の芝。同じ開幕週でも毎日王冠のある秋の初週と冬の初週とでは適性が異なります。

毎日王冠に代表される秋の初週は単純に上り勝負。適性として究極の切れ味が求められる。良馬場であればヨーイドンの直線勝負で上り32秒台を出せる馬でなければ好走できません。

ところが冬の初週はそうではないです。同じヨーイドンの直線勝負になったとしても冬の馬場は春、秋は切れ負けした馬(ツメの甘い悶え馬)が春、秋に切れる脚で好走した馬より切れる脚を使う馬場になります。

結局その馬は切れる馬なのか切れない馬なのかどっちなんだ?

答えは馬場適性の差。適性があれば切れる馬になれるわけです。

春の東京では同じように『切れる脚のない馬』が好走する週があります。ヴィクトリアマイルがある(私が注目しているのは京王杯SCですけど)4週目。

この週だけは東京実績のない馬や、いつも人気になっては期待を裏切る馬が好走する不思議な週なのです。ツメの甘い悶え馬がいいのです。つまり冬に適性のありそうな馬が春でもこの週だけ走る。そういうイレギュラーな事があるので、私は馬場適性は毎週変化するくらいに考えて、細かく競馬を分析するのです。

 

ツメの甘い悶え馬は簡単に言えば日本の競馬場の芝の主流であるオーバーシードの馬場やエアレーション馬場が合わないのです。

逆にそういう馬は単色芝(野芝、洋芝オンリー)だったり、エアレーション効果が無くなる開催後半の荒れ馬場で好走しやすくなります

先週の東京で言えば、冬は洋芝の生育が悪くオーバーシード馬場とはいえ野芝オンリーに近いのでツメの甘い悶え馬がよかったのだと思います。

中京の芝もここ数週、荒れ馬場ということで同じようにツメの甘い、悶え馬の好走が続いています。先週シルクロードSを勝ったシヴァージなどはその典型で、馬場適性がマッチすればあそこまでの完勝ができるわけです。逆に合わない馬場でも4、5着出来る能力の高い馬だから、合う馬場になれば完勝できるということなのでしょう。

 

今週末の中京は芝とは言えないような馬場なので、別の適性が求められそうで何ともいえませんが、東京に関しては今週末も引き続き、切れる脚のない馬、ツメの甘い悶え馬が狙えると思います。

4、5着が多い馬もそうですけど、いつも人気になっては勝ちきれない馬だったり、いつもそれなりに差して来るけど切れ負けしている差し馬などが狙えます。

馬柱を見るだけである程度好走しそうな馬は見えてきます。2着、3着、2着、3着のような馬は妙味がないのですけど、6着、6着、7着のような馬は見落とされがち、特にこういう差し馬は妙味ある穴馬になります。

安直に狙うとすればあまり人気が無いノーザンF生産馬がいいです。

切れる脚がないから成績が振るわず、だから人気もイマイチ。でもそういう馬こそ今の東京は適性が高いのです。

東京新聞杯で言えば昨年のシャドウディーヴァがまさにそんなタイプでした。昨年6番人気で2着。今年も出走予定です。

今年の出走予定でいえばプロディガルサンもノーザンF生産の切れる脚のない馬。穴っぽい馬だと思います。

そして東京新聞杯の出走登録馬で一番注目しているのがニシノデイジー

このブログを始めた当初に『ニシノデイジーのベストは東京芝1400М。京王杯SCを使えば勝てる』みたいなことを書きました。

京王杯SCは先述した春東京4週目。切れる脚のない馬が好走する週です。

それだけ、この馬は切れる脚がないと私は把握しています。

切れる脚がない産駒が出やすい種牡馬の代表にルーラーシップハービンジャーがいます。ハービンジャー産駒のニシノデイジーもその特徴を受け継いでいると言えます。しかし冬の東京芝ではこれらの種牡馬の産駒は好走傾向があります。実際先週も好走していました。

ダービー5着。この実績が災いして、ニシノデイジーはこれまで芝2000以上の合わない条件ばかり走っていましたが、今回ついに適性のある馬場、適性範囲の距離での出走になります。

ここで走らなければいつ走るんだ?

東京新聞杯でのニシノデイジーの激走に期待せずにはいられません。