kakikenです。
これから悪化する馬場より乾燥して回復に向かう馬場の方が状態の見極めが難しいです。
これは過去何度も書いてますが、今回の結果的にそれを実感する羽目になりました。
ではGⅠ皐月賞の予想を振り返ります。
日曜中山11R 皐月賞 芝2000М
(予想)
出走馬の血統や適性は木曜の記事で書いていますのでここでは省略してシンプルに予想を進めます。
昨年の皐月賞の予想記事でエフフォーリアに関してこう書きました。
「近4年4枠7番が連対している」と。
そのエフフォーリアは勝ちました。つまり、
近5年4枠7番の馬が連対している。
今年の7番は
⑦ボーンディスウェイ
今年の弥生賞の予想振り返りの記事で「皐月賞の穴馬はボーンディスウェイです」と書きました。週中のコラムで書いた通り、皐月賞の好走パターンの馬だからです。馬券を外したのはホープフルS5着だけ。新馬、未勝利でも取りこぼすが重賞でも安定して走るような馬が皐月賞には合うからです。血統も今の中山にマッチしています。
トライアル含めてこの世代の芝2000Мのレースを調べましたがタフなレース、実は消耗戦だったのが弥生賞ディープインパクト記念。
前半1000Мが61秒1 後半1000Мが59秒4
上り3Fが34秒台なら単なるスローのヨーイドン競馬ですがこのレースの上り3Fが35秒台なので早仕掛けの消耗戦だったことがわかります。
先週あたりから中山芝2000Мは外枠、早仕掛けのまくりが決まりやすくなっていて「外枠の差し馬がいいのでは?」とも思ったのですけど、あくまでも早仕掛けペースに合う馬を選ぶことを重視して、このレースを好走した3頭を評価します。
②アスクビクターモア
⑦ボーンディスウェイ
⑫ドウデュース
もう1頭。昨年のエフフォーリアはじめ皐月賞は共同通信杯勝ち馬と相性がいいレース。今年の勝ち馬は
①ダノンベルーガ
今回は絞ってこの4頭にしました。
①②⑦⑫BOX
複勝⑦
(結果)
1着⑭ジオグリフ 5番人気
2着⑱イクイノックス 3番人気
3着⑫ドウデュース 1番人気
4着①ダノンベルーガ 2番人気
5着②アスクビクターモア 6番人気
:
14着⑦ボーンディスウェイ 12番人気
『もう少しペースが流れるかと思っていました』
レース後、ドウデュース武豊騎手のこのコメントが全てを物語ってくれています。
1000М通過が60秒1。
ここまでは平均的、皐月賞では稍重あたりでのペースと同じ。ただここからペースが上がるのがGⅠでしたが今年はペースが上がりませんでした。
前半4F、後半上り3Fを差し引いたタイム、中盤3Fラップが37秒4。中盤緩んだことがこの結果を生みました。
分かりやすい例として稍重で行われた土曜の3歳1勝クラスの山藤賞と比べると、
勝ち時計 前半4F 中盤3F 上り3F
山藤賞 稍重 2分00秒3 47秒6 35秒3 35秒6
皐月賞 良 1分59秒7 47秒2 37秒4 34秒9
GⅠレースなのに1勝クラスのレースより2秒も中盤ラップのタイムが遅い。
これでいかに中盤が緩んだかがわかると思います。
余談ですが、今年の山藤賞の中盤ラップは昨年の皐月賞の中盤ラップとほぼ同じで、勝ち時計は山藤賞の方が速いです。昨年、稍重ながらこの速い中盤ラップを刻んだタイトルホルダーやエフフォーリアの強さがここからもわかります。なので山藤賞を勝ったローシャムパークは馬場適性次第ですがGⅠ級でG2,G3なら軽く勝つレベルの馬です。
ローシャムパーク、今後注目しておくべき馬です。
話を戻します。
この緩い流れになってしまうと上り3Fが速くなってしまいます。
勝ったジオグリフの上り3Fが34秒3、2着イクイノックスが34秒6、3着ドウデュースが33秒8。
木曜の出走馬血統診断で⑭ジオグリフ、⑱イクイノックス評でヨーイドン競馬向きと評価していましたがまさにその流れになってしまいました。
なぜそんな流れになったのか。
原因は日曜の中山の馬場が完全な外枠有利、差しが決まる馬場になっていたこと。
予想でも指摘しましたが、特に芝2000Мは先週から外枠しか馬券になっていないくらい偏った傾向がありましたが、日曜もそれが続きました。
逃げたらダメな馬場というのは騎手もわかっていましたから、このレースでもスタートしてもどの馬も積極的に前へ行きません。
「どうぞ、どうぞ」と譲り合う感じでした。そして道中も「最後は外が伸びる、直線勝負でも十分届く」という騎手心理が中盤早仕掛けにならず緩んだ原因です。
ドウデュースの武豊騎手も馬場を読んで外差しが決まると目論んでいただけに『もう少しペースが流れるかと……』のコメントになったのでしょう。
私は「さすがにGⅠなのでそんな競馬にはならないだろう」と考えてタフな流れ向きの馬をチョイスをしたのですが、武豊騎手と同じ感想をレース後思いました。
勝ったジオグリフ、2着のイクイノックスは持続力、タフさは無いですがパワータイプではあるのでペースがハマるとこの結果になるんですね。ドレフォン産駒が勝てたのはこの緩いペースがあってのこと。
ジオグリフは勝ち運に恵まれた馬ですね。
弱い馬がGⅠ好走などできるわけないのでこの好走は評価すべきでしょうが、ダービーで好走できるかと言われるとまだ疑問符が付きます。
むしろダービーへの期待値が高まったのが3着ドウデュース,4着のダノンベルーガ。
特に不利な内枠でしかも先行して直線もあの粘りですから皐月賞で一番強い競馬をしたのはダノンベルーガだと思います。ドウデュースは弥生賞、皐月賞としっかり好走していることから世代でトップクラスの強さだと今回わかりました。
ダービーはジオグリフやイクイノックスよりドウデュース、ダノンベルーガの方が有力でしょう。
アスクビクターモアも不利な内枠から逃げて5着で強い競馬をしましたが、中盤ペースを緩ませたことが悔やまれます。ただ、この馬は上りの脚が無い中山巧者なのでダービーは重馬場など上りが掛かる馬場にならない限り厳しいと思います。
皐月賞好走馬キャラと期待したボーンディスウェイはこの流れでは来るわけないです。
不向きな上り3F勝負になったので、この大敗は納得です。
私も日曜の露骨な外枠有利な馬場に「7枠、8枠が馬券が絡みそうだな」と思いましたし、7枠8枠の6頭からなら、消去法でジオグリフ、イクイノックスが残るので「この2頭押さえておくか?」とも思いました。ただドレフォン産駒、キタサンブラック産駒への信頼感の無さから買えませんでした。
結果的にノーザンF生産馬で上位独占。今年は小粒だとこき下ろしましたがしぶといですね。牝馬戦線は壊滅的ですが、ダービーはドウデュース、ダノンベルーガは確実に好走する雰囲気ですし、山藤賞勝ちのローシャムパークもノーザンF生産馬で今後重賞で好走するでしょう。
結局「ノーザンF生産馬買えばいい」に3歳牡馬戦線は今後なって行きそうです。
以上、皐月賞の予想を振り返りました。
まさかのGⅠでのヨーイドン競馬には驚きましたし、雨の影響が残った良馬場でこの上り時計が、しかも芝2000Мで出るとは思いませんでした。
回復途上の馬場での競馬はやはり馬場読みが難しかったです。
今週末から春の東京開催が始まります。
東京開催は芝よりダートの方が馬券は簡単です。
特にダート2100М。このブログでは冬の開催でも取り上げましたが、5~8番人気が絡みやすい条件のレース。2月もハマりまくりで美味しい思いをしました。
この春開催でもそのハマりに注目しようと思います。