kakikenです。
今回は今週末のGⅠヴィクトリアマイル出走馬血統診断です。
舞台である東京芝コースは先週は外差しが決まる馬場になっていましたが、今週からBコース。例年傾向では先行有利な馬場に戻ります。
ヴィクトリアマイルはレコード決着で時計が出る馬場になる年があるので軽い馬場のイメージがあるかもしれませんが、血統的には逆で重い芝、例えるなら野芝の重馬場がいい血統、もしくは札幌・函館の洋芝適性や実績のある馬を狙うレース(先週マイルカップで大穴を開けたカワキタレブリーも函館札幌で好走していた馬でした)。
ちなみに週末は雨の影響がありそうで、日曜にかけて、どれだけ回復するか、また悪化するかなどがポイントでしょうが、いずれにせよそういう馬場はキングカメハメハ系がハマる馬場なのは間違いなさそうです。
今回は良馬場でも重馬場適性が問われるレースなので週末の天気は気にせず総合的に評価しています。
アカイイト 評価D
父キズナ(ディープインパクト系) 母父シンボリクリスエス(ロベルト系)
母母父Mud Route(ニジンスキー系)
タフな流れのレースが得意で高速決着も合いそうだが、何といってもこの馬の弱点は切れる脚がないこと。どんな展開であろうと直線の切れる脚がある程度要求される東京コースでは分が悪い。重馬場以下で上りがかなりかかるレースにならないと苦しい。
アブレイズ 評価C
父キズナ(ディープインパクト系)母父ジャングルポケット(トニービン系)
母母父タイキシャトル
GⅠでは厳しい印象でマイルも合わない感じ。だが血統は悪くない。母父ジャングルポケットは単色芝(野芝オンリー、洋芝オンリー)が合う血統、母母父タイキシャトルも重馬場が合う血統。キズナ産駒がハマる馬場なら3着ならあり得るかも。
アンドヴァラナウト 評価C ノーザンF生産馬
母母父トニービン
祖母が名牝エアグルーヴ。エアレーション無し馬場で野芝色の強い硬い馬場がベストの舞台なので、今の東京は逆に近い馬場なので合わない印象。日曜が夏の日差しで馬場が乾燥して硬化した場合は好走できそうな気もする。
クリノプレミアム 評価B
母父ジャイアンツコーズウェイ(ストームキャット系)
母母父Gone West(ミスタープロスペクター系)
侮れない一頭。野芝の重馬場で強いオルフェーヴル産駒なので今の馬場は合いそう。東京マイルは芝1400М適性のある馬が好走しやすいがこの馬は東京芝1400Мで好走歴があることからも合っている。ただ高速決着は向かないので時計が出ない良馬場か渋った馬場の方がチャンスは大きいだろう。
シャドウディーヴァ 評価C ノーザンF生産馬
父ハーツクライ(サンデーサイレンス系)母父Dansili(ダンチヒ系)
母母父Indian Ridge
母系が重馬場向き血統で悪くないが、2020年が高速決着で大敗したことから良馬場より渋った方が良さそう。
ソダシ 評価A ノーザンF生産馬
母母父サンデーサイレンス
父デピュティミニスター系クロフネ、母父キングカメハメハと血統構成はいい。この馬は函館でデビュー勝ちし、札幌2歳S、札幌記念を勝っていることからも今の東京芝への適性は間違いなく高い。
ソングライン 評価C ノーザンF生産馬
父キズナ(ディープインパクト系)母父シンボリクリスエス(ロベルト系)
母母父アグネスタキオン
野芝の重馬場が得意なアグネスタキオンを母母父に持つので今の東京芝は合うはず。しかし高速決着のNHKマイルカップで2着したが上り3Fが34秒4だったように、極端な上り33秒台前半などになると苦しい。ハイペースで上りが掛かる展開になれば、と好走する条件は限定されるだろう。
デアリングタクト 評価B
父エピファネイア(シンボリクリスエス系)母父キングカメハメハ
母母父サンデーサイレンス
血統、馬場うんぬんで評価すべきレベルの馬ではないが血統、馬場は合っている。距離もマイルはベスト条件。位置取り、長期休養明けという面だけが不安。
ディヴィーナ 評価C ノーザンF生産馬
父モーリス(スクリーンヒーロー、ロベルト系)
母父ディープインパクト 母母父マキャヴェリアン(ミスタープロスペクター系)
このレース連覇しているヴィルシーナが母なので血の力は侮れないが、今の馬場も微妙に合わない感じ。モーリス産駒ということで高速決着も向かないだろう。時計の掛かる馬場ならある程度通用しそうだが勝ち負けとなると微妙。
デゼル 評価D 社台F系
父ディープインパクト 母父Le Havre(ブラッシンググルーム系)
母母父 Mark of Esteem(ミルリーフ系)
新潟で行われるなら狙える血統構成の馬。切れる脚はあるが基本スローペースのヨーイドン競馬タイプ。GⅠの速いペースは向かない。万が一恵まれたスローペースになったとしても(そうなったら間違いなく逃げ馬が残るので)この馬が届かない位置取りで競馬する可能性が高い。厳しいだろう。
テルツェット 評価D ノーザンF生産馬
母母父ストームキャット系
母系がダンチヒ系、ストームキャット系と今の東京には合っている。そう思って昨年のこのレースでは高評価しましたが結果14着大敗。その後函館クイーンC勝利しているように馬場の適性は今の東京と合うが、問題はペース。デゼル同様この馬もスローペースのヨーイドン競馬向き。快速馬ソダシ、レシステンシアがいる今回、ペースが向くとは思えない。
ファインルージュ 評価B ノーザンF生産馬
父キズナ(ディープインパクト系)母父ボストンハーバー(ボールドルーラー系)
血統的には余り評価できないがこの馬は距離が合わなかったオークスを除けば馬場適性の異なるレースで安定して走っている。こういう馬が隠れた強い馬。血統的に評価が低いのでB評価だが実力はA評価。東京4週目はこの馬のようにGⅠで2,3着が多い馬が好走する週であるし、キズナ産駒がハマる馬場なら1着もありうる。
マジックキャッスル 評価C 社台F系
母母父フェアリーキング(ノーザンダンサー系)
昨年高評価して3着。ファインルージュと似たタイプなので馬場は合うはず。ただ昨年絶好調で臨んで3着だったが、今回は府中牝馬S以降のレースを見る限りピークを過ぎた感がある。
ミスニューヨーク 評価D
母母父Broken Vow(ファピアノ、ミスタープロスペクター系)
東京GⅠでの時計勝負、切れ味勝負では厳しい。マイルも不向き、重馬場ならそこそこ走るという程度。
メイショウミモザ 評価C
母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター系)
芝1200Мだが函館札幌で3連勝した馬で、北海道好走馬が合う今の東京芝はマッチする。母父フレンチデピュティ母母父サドラーズウェルズ、基本時計勝負は不向き、重馬場でどこまでやれるかという印象。
レイパパレ 評価B ノーザンF生産馬
父ディープインパクト 母父クロフネ(デピュティミニスター系)
血統、実績的に重い芝が合う馬で、母母父トニービン系から初の東京コースもこなせるだろう。しかしポイントは初の東京コースというより久しぶりのマイル戦ということ。安定した強さを見せた芝2000Мとはペースが違うし、先行脚質なので長い直線の東京でどこまで粘れるか。重い芝は合うがその分タフな馬場でもあることから、距離は違うがタフな競馬になって最後の最後で差されたオールカマー、エリザベス女王杯のような展開もあり得る。
レシステンシア 評価B ノーザンF生産馬
母母父Poliglote(サドラーズウェルズ系)
前走は重馬場の高松宮記念6着で印象は最悪だが、休み明け、太め残り、暴走気味先行を考慮すればかなり好走したともいえる。今の東京の重い芝もあっているし、ダイワメジャー産駒も悪くない。昨年のヴィクトリアマイルのような切れ味勝負の方が向いていない。この馬の好走条件はハイペースで先行して道中他の馬の切れ味を削いで直線粘る競馬しかない。能力の高さはこのメンバーでも上位。当日上りが速くならない馬場なら妙味あり。
ローザノワール 評価D
母父Awesome Again(デピュティミニスター系)
芝のスピード不足でダートを使ってきた馬。重い芝は合うがさすがに時計面で芝のGⅠは厳しい。「なぜ出走したんだ?」と考えたが脚質が逃げ先行馬、もしかしたらペースメーカーなのかもしれない(この馬のスピードで逃げ先行できるのかも怪しいが)。
以上、ヴィクトリアマイル出走馬血統診断でした(血統というよりレース適性、ペース適性診断になったかもしれませんが)。
血統的には馬場適性のある馬が多く、当日の馬場条件(先行有利か差し有利、内枠有利か外枠有利か、勝ち時計は速いか遅いか、上り3Fは速いか遅いか)などで来る馬が変わりそうな大混戦です。総合評価Aはソダシだけになりましたが、ソダシ含めて上位評価は差がなく、リスクも秘めています。
現時点では血統評価はBですが例年春開催東京4週目の馬キャラとしてハマっているファインルージュを狙っています。
その他デアリングタクトもいますし、ソダシ、レイパパレ、レシステンシアといった有力先行勢がどんな駆け引きをするのかなど、今回かなり面白いメンバー、面白いレースが期待出来そうです。さらに今年冴えないノーザンF生産馬は8頭出走、どれくらい上位を独占できるかも興味があります。
拮抗したメンバーなのでコースロスは禁物なので基本内枠の方がよさそうなので、金曜確定する枠順を楽しみに待ちたいと思います。