脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

切れ味タイプは不向きなレースだけど雨上がりの馬場硬化には警戒を~2023年オークス出走馬血統診断~

kakikenです。

 

今回は週末に行われるオークスの出走馬血統診断を行います。

東京芝は今週までBコース。

来週からCコースに変わります。

このコース替わりは芝質の変わり目になります。

Cコースになると軽い芝のイメージ、究極の切れ味勝負になります。

例えば昨年オークス制覇したスターズオンアースは本来切れ味タイプではないですし、典型的なのが21年覇者ユーバーレーベンで、オークス以前では重賞で2,3着が多く、オークス制覇以降の成績も上り勝負の秋華賞では大敗、適性がありそうなレースでも5,6着、引退レースとなった今年のAJC杯でも3着。完全なジリ脚馬でした。

そのユーバーレーベンはオークスでは上り3F34秒4。

そんな悪くない感じですがこれが翌週のダービーでは勝ったシャフリヤール含め上位3頭の上り3Fが33秒4。

同じ芝2400Мのレースでもオークスとダービーでは適性が異なります。

Bコース施行のオークスは重い芝で、切れ味抜群の馬よりジリ脚タイプの方が適性は合います。

というわけで今回は馬場適性がある血統かどうかの診断と、高速(Hペース)向きかスロー(Sペース)向きかのペース適性の診断と、金曜土曜に雨予報があり、雨上がりで気温が急上昇して馬場が引き締まって硬化した場合(そうなると例年のオークスと真逆の軽い切れ味タイプ向きの馬場になってしまう)の馬場適性も診断します。

 

 

 

1枠①ラヴェル 評価B

血統A Hペース B SペースB 馬場硬化B

キタサンブラックブラックタイドサンデーサイレンス系)

母父ダイワメジャーサンデーサイレンス系)

母母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

重い芝がいいキタサンブラック産駒で、昨年3着ナミュールの半妹なので今の東京の馬場は合いそう。ただスタミナ面、スピード面ともに中途半端さがありGⅠではワンパンチ足りない印象。

 

1枠②ライトクオンタム 評価B 

血統B HペースB SペースA 馬場硬化A

ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父クオリティロード(ゴーンウェストミスタープロスペクター系)

母母父ポリッシュナンバー(ダンチヒノーザンダンサー系)

母系がアメリカン色が強く血統だけならダービー向き。切れ味タイプなのでそもそもタフなハイペースは合わない。スタミナ面も不安で、GⅠではワンパンチ足りない印象。

 

2枠③キタウイング 評価C

血統C HペースB SペースA 馬場硬化B

ダノンバラードディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父アイルハヴアナザーフォーティナイナーミスタープロスペクター系)

母母父ゼンノエルシドニジンスキーノーザンダンサー系)

ダノンバラード産駒はダート系パワータイプなので重い芝は合うがベストはマイル以下でさすがに2400Мは合わない。スローのヨーイドン競馬向き、重不良馬場で相当時計が掛からないと勝負にはならないだろう。

 

2枠④キミノナハマリア 評価A 

血統A HペースA SペースB 馬場硬化A

ハービンジャーダンチヒノーザンダンサー系)

母父ヴィクトワールピサネオユニヴァースサンデーサイレンス系)

母母父クロフネ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

バランスの悪さがあるがタフさがあり重い芝も向くので血統構成は高評価。スローペースよりハイペース向きだがいずれにしても切れ味不足。好走には馬場悪化、もしくは馬場硬化など極端な馬場変化が必要か。

 

3枠⑤リバティアイランド 評価A 

血統B HペースB SペースA 馬場硬化A

ドゥラメンテキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父All American(レッドランサム・ロベルト系)

母母父Xaar(ゴーンウェストミスタープロスペクター系)

桜花賞の強さからも世代トップの馬であることは間違いないが血統では母系にスタミナ面の不安がある。ただドゥラメンテ産駒なので距離克服できそう。馬場で言えば軽いダービー馬場向きで例年の重いオークス馬場だと隙ありで2,3着や4,5着に敗れるケースもあるが、日曜気温上昇で馬場硬化したら2冠濃厚。

 

3枠⑥ゴールデンハインド 評価A 

血統A HペースA SペースB 馬場硬化B

ゴールドシップステイゴールドサンデーサイレンス系)

母父Shamardalストームキャットノーザンダンサー系)

母母父Gone Westミスタープロスペクター系)

ユーバーレーベンと同じゴールドシップ産駒、重い芝が向くステイゴールド系で母父が重い芝向きジャイアンツコーズウェイShamardalと血統はいい。2~4、5着が多いジリ脚馬なのでスローペースは合わない。好時計で逃げ切ったフローラSのようなレースできれば今回も好勝負になる。

 

4枠⑦ヒップホップソウル 評価B

血統B HペースA SペースB 馬場硬化B

キタサンブラックブラックタイドサンデーサイレンス系)

母父ファルブラヴ(フェアリーキング・ノーザンダンサー系)

母母父サンデーサイレンス

重い芝が合うキタサンブラック産駒で、祖母がダンスインザムードで母系は名牝ダンシングキイの系統東京芝2400Мが合う血統。タフな馬場がとにかく合う馬なのでハイペースが理想だが、正直馬場悪化などの恩恵が無いと勝ち負けは厳しい印象。

 

4枠⑧レミージュ 評価C  

血統B Hペース B SペースB 馬場硬化B

キズナディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父Gone Westミスタープロスペクター系)

母母父Zilzal(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)

タフで爆発力のあるキズナ産駒という点は悪くないが、母系は底力に欠ける感じで、GⅠではさすがに厳しいだろう。

 

5枠⑨コナコースト 評価A 

血統A HペースA SペースB 馬場硬化B

キタサンブラックブラックタイドサンデーサイレンス系)

母父キングカメハメハキングマンボ・ミスタープロスペクター系)

母母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

重い芝が合うキタサンブラック産駒、母系もキングカメハメハフレンチデピュティと血統構成も満点に近い。3戦連続2着と勝ちきれない馬キャラも合っている。脚質的にはスローよりハイペースで切れ味を封じ込む先行策の方が合う。

 

5枠⑩ソーダズリング 評価A 

血統A HペースA SペースB 馬場硬化A

ハーツクライサンデーサイレンス系)

母父シンボリクリスエスクリスエス・ロベルト系)

母母父フェアリーキング(ノーザンダンサー系)

いかにも東京2400Мが合いそうな血統構成。スローペースよりハイペースの方が切れる脚を使うタイプ。反面不安定さ、脆さのある母系なので案外な結果もありうる。

 

6枠⑪ミッキーゴージャス 評価B 

血統A HペースB SペースB 馬場硬化B

父ミッキーロケット(キングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母母父gold Away(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)

血統構成だけ見れば重い芝は向きそう。ミッキーロケットというマイナー血統で未知数な部分が強いが母ミッキークイーンオークス馬なので大化けの可能性もある。

 

6枠⑫ハーパー 評価B 

血統B Hペース B SペースA 馬場硬化A

ハーツクライサンデーサイレンス系)

母父Jump Start(エーピーインディボールドルーラー系)

母母父Carson City(ミスタープロスペクター系)

母系がアメリカン色が強く、軽い馬場向きで次週のダービー出走なら満点評価の血統構成である。完全な切れ味タイプなのでオークスの馬場は不向きな印象だが、気温上昇による馬場硬化で速い上りの馬場になれば勝ち負け可能。

 

7枠⑬ドゥーラ 評価B 

血統A HペースB SペースA 馬場硬化A

ドゥラメンテキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父キングヘイローダンシングブレーヴノーザンダンサー系)

母母父ステイゴールドサンデーサイレンス系)

ドゥラメンテ産駒は昨年覇者スターズオンアースと同じ。重い芝が合うステイゴールドが母母父と、この馬も血統の一つ、一つを見れば合っている感じだが、血統構成ではバランスの悪さを感じるのでGⅠでは厳しいと思われる。

 

7枠⑭ペリファーニア 評価A 

血統A HペースA SペースA 馬場硬化B

父モーリス(スクリーンヒーロー・ロベルト系)

母父ハーツクライサンデーサイレンス系)

母母父Kris(ネイティブダンサー系)

父がモーリスでロベルト系はオークスでの相性がいいので悪くない。この馬はスタミナ面に不安を感じるがレースセンスがある馬で距離さえこなせれば勝ち負け可能。

 

7枠⑮エミュー 評価C   

血統B HペースB SペースB 馬場硬化B

ハービンジャーダンチヒノーザンダンサー系)

母父スペシャルウィークサンデーサイレンス系)

母母父ゴーンウェストミスタープロスペクター系)

可もなく不可もなしで強調材料に欠ける。悪く言えば全て中途半端。

 

8枠⑯ドゥアイズ 評価B 

血統A Hペース A SペースB 馬場硬化B

ルーラーシップキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母母父Grand Lodge(ダンチヒノーザンダンサー系)

この馬も2,3着などツメの甘い馬で馬キャラ的にはハマっている。血統も一つ一つは合っている感じだが、反面バランスの悪さを感じるのでGⅠでは厳しい可能性がある。

 

8枠⑰シンリョクカ 評価B 

血統B HペースB SペースB 馬場硬化B

サトノダイヤモンドディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父キングカメハメハキングマンボ・ミスタープロスペクター系)

母母父カーリアンニジンスキーノーザンダンサー系)

サトノダイヤモンド産駒なのでタフさは感じるが母系はマイル向きで芝2400Мは長い感じがする。ただ休み明け桜花賞で6着できるポテンシャルの高さがあるので距離さえこなせれば掲示板レベルはありそう。

 

8枠⑱イングランドアイズ 評価A   

血統A HペースA SペースB 馬場硬化B

kingmanダンチヒノーザンダンサー系)

母父ハーツクライサンデーサイレンス系)

母母父Spinning World(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)

父が重い芝向きのkingmanなので今の重い芝は合う。Kingman産駒ではシュネルマイスターがNHKマイルC勝ち、安田記念3着と春東京で好走しているし、母ヌーヴォレコルト自身がオークス馬で血統的には高評価。タフな流れの差し馬なのでハイペースになれば勝ち負け可能。1/4の抽選を突破した運も味方につけそうで要注目!

 

 

 

 

以上、オークス出走馬血統診断でした。

現時点で、例年通りの重い芝でのレースが行われると仮定しての予想では

コナコースト、ゴールデンハインド、ペリファーニア、イングランドアイズ、リバティアイランドの5頭。

いずれにせよ今年は桜花賞上位とフローラS上位の争いになると思います。

ただし!

この数日の夏の暑さで馬場が例年より硬い可能性があります。

そうなるとダービー週のような軽い馬場になってしまうので、軽い馬場ならリバティアイランド、ハーパーの2頭が有力でしょう。

オークス馬場かダービー馬場かの違いは速い時計と速い上りが出るか否かです。

土曜まで雨の影響がありそうなので、参考にならないかもしれませんが土曜の芝レースの勝ち時計、上り3Fのタイム、血統(特に母系がアメリカン色が強いかどうか)を見て最終結論を出そうと思います。