kakikenです。
今回は週末京都競馬場で行われるG1マイルCSの出走馬血統診断を行ないます。
今の京都芝は先週末のエリザベス女王杯を見る限り、明らかに昨年より野芝色が強い馬場です。
一番の要因は今年の馬場が例年より硬いことだと思います。
良馬場でのクッション値が11くらいで(数値が高いほど硬い)、良馬場での平均値が10を切るか切らないか(ちなみに東京が9くらい,北海道は8と良馬場でも他場の重馬場レベル)なので相当硬いといえます。
硬い馬場になると20年前くらいのオーバーシードやエアレーションが無かった頃に近い馬場なので、今の主流からズレた血統が走りやすくなります。
現在ではオーバーシードをしていない野芝開催(新潟、夏の小倉、秋9月中山、阪神、中京開催)が1番近い馬場なので野芝開催が得意な血統を私は「野芝血統」としてカテゴライズしています。
今の京都はその野芝血統がはまりやすい馬場、ローカル競馬場タイプの馬でも好走するチャンスがある馬場だと思います。
今回は血統ではそこに注目し、あとは下り坂の京都適性をふまえた総合評価。この2つの診断をします
アルナシーム
血統B 評価B
父モーリス
(スクリーンヒーロー・ロベルト系)
母母父エーピーインディ系
血統構成は悪く無い。野芝小倉の中京記念勝ちもあり、今の馬場は向きそう。ただこの馬のキャラ的にマイルより1800という感じがするので微妙な面もある。
ウインマーベル
血統C 評価C
京都のマイルが合う血統構成では無い。ただアイルハヴアナザーというマイナー血統かハマりやすいのが今の馬場ではある。しかし適性的にも芝1200から1400がベストの馬でズレを感じるので強く推せる要素はない。
エルトンバローズ
血統A 評価A
母父ブライアンズタイム(ロベルト系)
硬い馬場が合う母系、父ディープブリランテはマイナー種牡馬で野芝向きで、今年の馬場は合いそう。先週同様先行有利の馬場が続けば、適性の高さから昨年4着以上の好走も期待出来る。
血統B 評価B
母母父サクラバクシンオー
血統構成からは硬い馬場も向きそうだが、この馬の祖母ルシュクルが真逆の洋芝北海道の鬼という面から微妙さはある。マイル実績はあるが、本質は1200、1400向き。
コムストックロード
血統B 評価C
父シルバーステート(ディープインパクト産駒)
母母父ヘイルトゥリーズン系
古めかしい母系は野芝向き、さらに野芝適性のあるシルバーステート産駒だが本質時計の掛かるヨーイドン競馬向きなので、G1向きではない。
ジュンブロッサム
血統A 評価A
母父クロフネ(デピュティミニスター系)
この馬の父ワールドエースはその母父野芝血統アカテナンゴの影響を受けて野芝適性が高い種牡馬。母系に今の時期の芝でハマるフレンチデピュティ系クロフネ、祖母に現役時代活躍したゴールドティアラ(名牝の血が入った母系は野芝色の強い馬場は走る)と例年なら微妙だが、今年の馬場なら買い。追い込み脚質がハマる展開なら好走可能。
セリフォス
血統A 評価A
母父Le Havre(ブラッシンググルーム系)
母母父ヌレイエフ・ノーザンダンサー系
母父が野芝適性の高いブラッシンググルーム系で野芝色の強い今年の馬場も問題無し。マイル戦なら安定して走る馬だが、近走は突き抜ける強さが段々無くなって来ている印象。展開1つで勝ち負けもあるが着外もあり得るので過信は禁物。
ソウルラッシュ
血統A 評価A
データ的には厳しかった前走富士ステークスも2着で負けて強しの内容。野芝の京成杯オータムハンデキャップ勝ちもあり野芝色が強い馬場も問題なし。血統も母父が冬血統マンハッタンカフェと買い要素が多く、勝ち負け有力な一頭。
タイムトゥヘヴン 爆穴馬
血統A 評価B
母父が野芝血統アドマイヤベガ。母が桜花賞馬キストゥヘヴンの名牝母系で血統だけならかなり面白い。サムネの大穴馬とはこの馬のこと。京都金杯で7着だが差の無い競馬で京都適性の高さも感じる。追い込み脚質だが、ハイペースでハマればアッと言わせる要素はある馬。
チャリン
血統A 評価B
父Dark Angel(ノーザンダンサー系)
母父Kodiac
母母父ストームバード・ノーザンダンサー系
少しトレンドズレした古い母系、父Dark Angelはローカル競馬向きの血統、母系ダンチヒ、ストームバード系も良く血統構成は合っている。ただ基本には重馬場向き血統、欧州の最強マイラーと言えども硬い馬場や京都の下り坂への適性は半信半疑、重馬場の方が好走しやすいだろう。
血統A 評価A
母母父フレンチデピュティ・デピュティミニスター系
昨年勝ち馬、野芝色はそこまで感じ無いが先週のエリ女で2着好走ラヴェルからとにかく京都適性を感じる一族。今年の走りからも能力落ちの気配は無く、今年も有力な一頭。
ニホンピロキーフ
血統B 評価B
母母父デヒア・デピュティミニスター系
血統1つ1つは良いものがあり、野芝向きでもあるが、バランスの悪さを感じる血統構成。京都適性は高い馬なので乗り方1つで好走可能だが、爆発力などから少し見劣りする。
バルサムノート
血統A 評価B
父モーリス
(スクリーンヒーロー・ロベルト系)
母母父コジーン・カロ系
この馬の祖母ラタフィアが野芝血統。産駒は野芝適性が高く、この馬も野芝で2勝。なので今の馬場適性は高い。ただマイル実績はあるが本質は1400か1800なのでマイルはズレがある印象。
フィアスプライド
血統B 評価B
母父Kingmambo(ミスタープロスペクター系)
母母父ストームバード・ノーザンダンサー系
少し古めでローカル適性や野芝適性も高そうな母系。野芝実績やマイル実績もある馬だが、本質は重馬場向きな気もする。京都は初コースだが勝ちきれない詰めの甘い戦績から下り坂がプラスに働く可能性は高そう。3着なら十分ある馬。
ブレイディヴェーグ
血統A 評価A
母母父ヌレイエフ・ノーザンダンサー系
この馬の祖母ミュージカルアウェイはG1馬を輩出した名牝で産駒は野芝適性も高い。実績、適性ともに文句なしだが、マイルはベストとは思えず、取りこぼしは十分あり得る。
マテンロウスカイ
血統B 評価B
父モーリス
(スクリーンヒーロー・ロベルト系)
血統としてはタフさの強い母系で野芝色もあり今の京都は合う。相手なりに走る馬で切れ味勝負よりは上がりの掛かるタフな展開の方が向くのでハイペースの先行が好走の鍵。
レイベリング
血統B 評価C
父Frankel
母父Docksider
母母父Bellypha・ノーザンダンサー系
可もなく不可もなしのマイナー色のある微妙な血統構成。ただこういうマイナー色のある微妙な馬が合いそうな馬場でもある。
以上、マイルCS出走馬血統診断でした。
実績上位の馬たちが適性が高いので堅い決着の可能性がある反面人気薄の馬も適性の高い馬が揃っているので、枠順や展開次第で紛れは十分ありそうです。
現時点での予想ですが、
京都適性ならナミュール。
信頼性ではソウルラッシュ。
血統ではエルトンバローズ、ジューンブロッサム。この2頭でもそこそこ妙味ありそうですが、爆穴候補としてタイムトゥヘヴンに注目してます。
先週末同様の先行馬場が続く可能性が高いですが、馬場をしっかり読んで最終結論を出そうと思います。