kakikenです。
今回は週末中山競馬場で行われる有馬記念出走馬の血統・適性診断をします。
昨年は高評価したイクイノックス、ボルドグフージュのワンツーで有終の美を飾れましたが、今年はイクイノックスが引退、昨年以上の大混戦になりそうです。
有馬記念は芝2500Мというトリッキーな距離、トリッキーなコースなので枠の有利不利、脚質の偏りが露骨なレースになりやすいです。
近年は比較的堅調な結果が増えていますが、派手な実績は無いが中山実績、中山適性の高い馬が穴馬になるパターンが多いです。
血統の話でいえば、毎年話していますが有馬記念は何と言っても父がミスタープロスペクター系の馬が勝てません。キングカメハメハ系のスターズオンアース、タイトルホルダーはその呪縛を解くことが出来るかに注目ですね(2,3着は多いので馬券軸にはできますけど)。
馬場傾向としてはその年の中山の馬場状態に左右されるパターンが顕著、なので土日の馬場傾向から内枠有利や外枠有利、先行有利、差し有利を判断するべきです。
ちなみに先週の馬場を見る限り内が悪化してきているのは確実、昨年同様外差しが決まる可能性が高い馬場だと現時点では予測しています。
なお既に枠順確定していますが、評価は確定前のフラットなものをまずご覧ください。
(過去一度も馬券になっていない16番の馬には自動的に低評価になるので)
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アイアンバローズ ノーザンF生産馬 血統A 適性A 評価C
母父Royal Anthem(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)
母母父Red Ransom(ロベルト系)
先週朝日杯を勝ったジャンタルマンタルの父Paleace Maliceと母が同じ。血の勢いというのは侮れなく、そもそも中山巧者、半弟ジャスティンパレス同様警戒は必要。
ただ今回は強力な先行馬タイトルホルダーがいるため厳しい競馬になる可能性が高い。
ウインマリリン コスモヴューファーム 血統A 適性A 評価A
母父Fusaichi Pegasus(ミスタープロスペクター系)
母母父Buena Shore(ボールドルーラー系)
有馬記念と相性の良いロベルト系種牡馬の中でも抜群の相性を誇るスクリーンヒーロー産駒という点だけで注目すべき馬。この馬自身中山芝2500М適性も高い。ロスなく立ち回れば好勝負可能だが、6歳という年齢面からは3着候補。
ジャスティンパレス ノーザンF生産馬 血統A 適性A 評価A
母父Royal Anthem(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)
母母父Red Ransom(ロベルト系)
昨年は先行して終始内を通って7着。適性が無いわけでは無く外差し馬場が向かなかっただけで展開や進路の差、この馬自身は最後まで伸びていた。今年に入り適性の異なるGⅠで安定して走っているあたり、完全に本格化したのでここも有力。
シャフリヤール ノーザンF生産馬 血統B 適性B 評価B
母父Essence of Dubai(タピット・ボールドルーラー系)
母母父Great Above(ヒムヤー系)
札幌記念大敗以外は安定して走っているので人気の盲点になりそうな馬。ただ東京のような軽い馬場での速い上り勝負向きな印象。初めての中山は未知数だが、不良の神戸新聞杯、稍重の札幌記念での負け方を見ると中山のタフな馬場は合わない可能性が高い。
スターズオンアース 社台F生産馬 血統B 適性A 評価A
父ドゥラメンテ(キングカメハメハ・ミスタープロスペクター系)
母母父Monsun(ブランフォード系)
デビューから全て馬券になっている馬。前走ジャパンカップは不利な大外枠からの3着で改めてこの馬の能力の高さを感じた。勝ち切れない面があるはそれは切れ味の無さから来るもので、そういう馬にとって上りが掛かりやすい中山は合う。唯一不安材料はミスタープロスペクター系種牡馬が勝てないジンクスだけ。
スルーセブンシーズ ノーザンF生産馬 血統A 適性A 評価A
父ドリームジャーニー(ステイゴールド・サンデーサイレンス系)
母母父Seattle Slew(ボールドルーラー系)
今年に入り完全に本格化するあたり2度成長するステイゴールド系産駒の特徴を感じる。中山巧者でもあり、ここでも好走必至。不安としては凱旋門賞好走で注目度が上がった点で鞍上が勝ちを意識し過ぎて早仕掛けで最後脚が上がって差されるパターンか?
ソールオリエンス 社台F生産馬 血統A 適性A 評価B
母父Motivator(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
母母父Quest for Fame(レインボウクエスト・ブラッシンググルーム系)
血統面に関しては冬血統でもあるレインボウクエストの血が母母父にある点で高評価。東京より中山の馬場向きでもある。ただ器用さに欠ける面がありコーナーの多い中山芝2500Мは不向きな印象。恐らく位置取りは後ろになるのでタイトルホルダーの作るハイペースで差し追い込みの展開になれば好走できるだろう。
タイトルホルダー 岡田スタッド 血統B 適性A 評価B
父ドゥラメンテ(キングカメハメハ・ミスタープロスペクター系)
母父Motivator(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
母母父Shirley Heights(ミルリーフ系)
不向きな東京コースジャパンカップ5着は改めてこの馬の強さを示した。中山適性の高い馬だが有馬記念に関しては枠、馬場に恵まれていない。内伸び馬場の内枠なら当然好勝負できる馬だが今年も外差し馬場になる可能性が高いので『当日内伸びる馬場なら買い、外伸びなら切り』で判断すべき。
タスティエーラ ノーザンF生産馬 血統A 適性A 評価A
母母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)
同期のソールオリエンスと比較するとこの馬には器用さがあり、中山芝2500Мでも上手く競馬が出来るだろう。血統面ではサトノクラウン産駒が未知数だが、母父に冬血統マンハッタンカフェがあるのが心強い。よほどの不利な枠を引かない限り5着内は間違いないだろう。
ディープボンド 村田牧場 血統A 適性A 評価B
母父キングヘイロー(ダンシングブレーヴ・ノーザンダンサー系)
母母父カコイシーズ(ネイティブダンサー系)
一昨年2着で昨年8着。ただ昨年は不利な外枠15番、しかも差し決着となり8着なので枠や展開さえ向けば好走出来る適性はある。今年も過去2年同様タイトルホルダーがいるのでペースは向きそう、差し馬場にならなければ3着ならありそう。
ドウデュース ノーザンF生産馬 血統B 適性B 評価B
母父Vindication(ボールドルーラー系)
母母父Gone West(ミスタープロスペクター系)
血統的にはハーツクライ産駒は悪くない。この馬の本質は脚を貯めて直線爆発というタイプなので、今年秋の天皇賞のジャックドール、ジャパンカップのパンサラッサが見せたハイペースでのレースは道中脚を使ってしまい(戸崎騎手の問題もある)イマイチな結果になった。今回もタイトルホルダー出走でタフな流れになるのは確実でこの馬に不向きな流れになりそう。唯一の望みは鞍上が武豊騎手に戻り腹を括って最後の直線勝負に賭けた場合、ハマる可能性はある。
ハーパー ノーザンF生産馬 血統B 適性B 評価B
母父Jump Start(エーピーインディ・ボールドルーラー系)
母母父Carson City(ミスタープロスペクター系)
この馬もドウデュース同様に本質はヨーイドン競馬向きなのでタイトルホルダーが作る流れは向きそうにない。今回好走があるならば、ドウデュース同様で先行ではなく直線勝負に賭けた場合だろう。
ヒートオンビート 社台F生産馬 血統B 適性A 評価A
切れる脚の無い差し馬で、以前から有馬記念に出れば面白いと思っていた馬。GⅠでも春の天皇賞4着があるように上りの掛かるレースならGⅠでも勝負になる。重馬場が合わないので良馬場限定条件だが(6歳という年齢的に)3着なら十分狙える馬。
プラダリア オリエント牧場 血統B 適性A 評価B
母母父フォーティナイナー(ミスタープロスペクター系)
中山未出走で未知数だがGⅠでもGⅢでの相手なりの走りを見せるあたり、上りの掛かる馬場の方が向く馬なので中山コースは合うはず。ロスなく立ち回れば2,3着なら十分あり得る馬。
ホウオウエミーズ 岡田スタッド 血統B 適性B 評価C
父ロードカナロア(キングカメハメハ・ミスタープロスペクター系)
母母父ホワイトマズル(ダンシングブレーヴ・ノーザンダンサー系)
重く、野芝色の強い母系なので今の中山の馬場は合っているが、さすがにこのメンバーでは厳しい。
ライラック 杵臼牧場 血統A 適性A 評価B
母父キングカメハメハ(ミスタープロスペクター系)
中山コースとも相性がよく、ステイゴールド系オルフェーヴル産駒なので中山芝2500Мも合う。適性の高さから好走は十分あり得る馬だが、今回はメンバー的に馬券圏内となると厳しい印象。
以上、有馬記念出走馬の血統・適性診断でした。
適性の高い馬が揃ったので、結局は枠順、展開の有利不利が鍵になりそうです。
枠順確定前の時点では、先週朝日杯FS覇者ジャンタルマンタルの父と母親が同じ、血の勢いを感じるのがジャスティンパレスです。
続くのが牝馬2頭スルーセブンシーズ、スターズオンアース、3歳馬タスティエーラ。
この4頭が有力だと思っています。
ただ伏兵や3着候補はウインマリリンを筆頭に多く存在するので1着2着3着全て拾うには絞り込みの難しいレースだとも言えそうです。
現時点では差し馬場を予想しているのでタイトルホルダーには厳しい展開だと思っていますが、この馬が内枠を引いて内伸び馬場なら十分馬券になるとは考えています。
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と、ここまで御覧いただいたのが枠順確定前の見解です。
そして木曜夕方枠順が確定しました。
過去一度も馬券になったことがない死に馬番16にスターズオンアース。
スルーセブンシーズも過去シュヴァルグランの3着が一度だけの15番。
タスティエーラも7枠13番と外。
私が注目した馬の中ではジャスティンパレスが5枠10番で一番好枠をゲット。
血の勢いで運もありそうな気がしてきますね。
他の馬ではタイトルホルダーがついに念願の内枠2枠4番をゲット。
これでタイトルホルダーは俄然注目度が上がりました。
ただ冒頭でも指摘したように先週あたりから内より外枠の方が良さそうな雰囲気が感じられる馬場になっていますので、まだ外不利の決断は早計でしょう。
内伸び馬場か外伸び馬場か。
この見極めが今年の有馬記念はとても重要になりそうです。
中山は土曜11Rで芝2500Mグレイトフルステークスがありますので(本来先行有利レースなので、これで差し決着になれば有馬記念も差し決着濃厚)参考にして最終決断するつもりです(枠に関しては有馬記念当日のグッドラックハンデの出目が参考になるのでレース結果を確認してから馬券を買うのがおススメです)。