kakikenです。
今回は週末中山競馬場で行われるスプリンターズSの出走馬血統診断を行います。
今年は世間でも『内枠有利』というのが目につくようになっています。
実際過去馬券になっているのは1ケタ馬番の馬が多く、近8年では1枠か2枠の馬が必ず馬券に絡んでいます。
傾向的に内伸び馬場になることが多く、内枠有利になりやすい馬場ではあります。
しかし外伸び馬場になることもあります。
それが2020年です。あの年は4コーナーで内を通った馬が絶対止まる馬場で、2枠3番ダノンスマッシュが自力の違いで2着に来たものの、勝った10番グランアレグリアは外差し、アウィルアウェイは大外16番で外から追い込んで3着でした。
競馬あるあるの一つ、世間でやたら『内枠有利』と言い出している時ほど外枠になる可能性があります。
そう言えば今年の高松宮記念も、その前年が露骨な内枠決着だったことから、世間が『内枠有利』と騒いでいたので外枠ワンツー決着になりました。
個人的には今年は『そろそろ外枠かな』と思っていますが、
その時の馬場状態で傾向が偏るのが中山芝の近年の特徴です。
前年外枠で11着だったジャンダルムが昨年内枠で勝つという分かりやすい例からも枠や馬場に左右されるレースですが、そのジャンダルムにしても母ビリーヴという名牝の子、以前指摘したように野芝は名牝の子が好走しやすい馬場なので、血統的にも適性が高かったから好走できたともいえるので、こうした野芝適性の有無も重要になります。
今回は枠順確定前なので血統からの適性評価、また総合的な評価をしてあります。
アグリ 血統A 評価A
父Caravaggio(ストームキャット・ノーザンダンサー系)
母母父Galileo(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
ダート色の強い父と母父に欧州ガリレオが母母父。芝のスピードが無さそうですけどそういう血統の馬ほど野芝中山は合います。ただしGⅠでの底力は微妙で好走しても2,3着のイメージ。
ウインマーベル 血統A 評価A
父アイルハヴアナザー(フォーティナイナー・ミスタープロスペクター系)
昨年は有利な内枠と、アイルハヴアナザーというイマイチな血統ですがフォーティナイナーというこのレースとの相性の良い血統がハマっての2着。キーンランドは重馬場で外枠有利の馬場での内枠大敗、高松宮記念も重馬場で不利な大外枠で大敗。逆に外枠有利な京王杯SCは5枠10番から2着。適性はあるので有利な枠に入れば今年も好走可能で妙味あり。
エイシンスポッター 血統B 評価B
父エイシンヒカリ(ディープインパクト・サンデーサイレンス系)
母父Barathea(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
追い込む脚質と実績的に劣るので評価は下がるが血統だけ見ればエイシンヒカリ産駒は野芝適性の高い種牡馬。しかも母母父デインヒル・ダンチヒ系はこのレースでの相性の良い血統なので外伸び馬場なら面白い存在。
オールアットワンス 血統A 評価B
父マクフィ(シーキングザゴールド・ミスタープロスペクター系)
母母父Souvenir Copy(ミスタープロスペクター系)
父マクフィはシーキングザゴールド系の種牡馬で、シーキングザゴールドの血は野芝適性が高い。実際野芝新潟アイビスサマーダッシュ2勝、9月中山野芝カンナSを勝っているので野芝適性の高さは実績が証明している。直千のイメージが強いが適性の高さから好枠さえ引ければ勝つことは無いだろうが2,3着候補として面白い存在。
キミワクイーン 血統C 評価C
カナロア、ダイワメジャー、バクシンオーとこのレースでも馴染みある王道の種牡馬だが、逆に王道すぎる組み合わせは底力が欠けるのでGⅠでは評価が下がる。
ジャスパークローネ 血統A 評価B
母父Kitten’s Joy(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
母母父Gostzapper(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)
アグリと同じで『どう見てもダートでしょ』という血統は野芝適性が高く、実際新潟小倉など野芝でも実績を残している。中山実績もあり内伸び馬場で内枠なら好走可能。
ジュビリーヘッド 血統B 評価B
母母父Sevres Rose(カーリアン・ノーザンダンサー系)
血統的にはイマイチで特筆すべきものはない。ただ、この馬は野芝未経験だが、この馬のように良くも悪くもそこそこ走る感じの馬ほど野芝が合う可能性が高い。好枠ゲットできれば、ノーザンF生産馬のエリート、GⅠでの激走があっても不思議ではない。
テイエムスパーダ 血統C 評価C
母父アドマイヤコジーン(カロ・グレイソヴリン系)
母母父マイニング(ミスタープロスペクター系)
野芝血統アドマイヤコジーンがあり、野芝重賞実績もあるので野芝適性があるのは間違いないが、中山だと血統的には軽すぎる印象。実際内伸び馬場で1番という絶好枠という好条件がそろっての昨年の大敗は野芝適性はあっても中山適性の無さを感じた。
ドルチェモア 血統B 評価B
血統的にはスプリンターの感じは皆無だが、セントウルSのような高速決着より時計の掛かる中山ならもう少しやれてもいい。2歳GⅠ好走、母が桜花賞馬アユサンでGⅠ馬の子という点でジャンダルムとの共通点は強調材料ではある。
ナムラクレア 血統B 評価A
父ミッキーアイル(ディープインパクト・サンデーサイレンス系)
母母父クリスエス(ロベルト系)
能力的に一番強い馬。好走条件も揃っている馬で昨年も本命馬にしたが、4コーナーで外に回すという痛恨の騎乗ミスで5着。ミッキーアイル産駒は野芝適性高い種牡馬だが中山はイマイチな印象もあり、今年も不利な枠に入れば馬券圏外もありえる。
ナランフレグ 血統B 評価B
母父ブライアンズタイム(ロベルト系)
この馬も『ダートでしょ』な血統構成なので野芝適性は高い。昨年は内伸び馬場での内差し3着、適性の高さを感じる結果。条件さえあれば今年も好走可能。
ピクシーナイト 血統A 評価B
父モーリス(スクリーンヒーロー・ロベルト系)
母父キングヘイロー(ダンシングブレーヴ・ノーザンダンサー系)
一昨年の勝ち馬、野芝血統キングヘイローが母父にある。長期休養明け3戦が冴えなく衰えも感じられるが、この馬に合う条件ではなかったことも考慮。野芝中山はベストの舞台なので、内伸び馬場での内枠ゲットという条件なら一昨年の再現はあり得る。
マッドクール 血統C 評価C
父Dark Angel(トライマイベスト・ノーザンダンサー系)
母父Indian Rigge(クラリオン系)
アグリ、ジャスパークローネ同様に野芝適性はありそうだが、この2頭よりはスピード感がなく、血統的には重すぎる印象で、良馬場では厳しく重馬場でこその馬。
ママコチャ 血統B 評価B
母父キングカメハメハ(キングマンボ・ミスタープロスペクター系系)
母母父サンデーサイレンス(ヘイロー系)
ソダシの全妹で能力の高さを感じる。野芝適性も高いが中山野芝だと少し軽さを感じる点は気になる。当日時計の掛かる馬場なら割引、時計の速い馬場なら勝ち負け必至という印象。
メイケイエール 血統B 評価A
父ミッキーアイル(ディープインパクト・サンデーサイレンス系)
素質は高いが気性難が災いして安定した成績は残せていないが、母父が好走ツボの小さいハービンジャーという点も遠因にあるだろう。昨年7枠13番で14着、一昨年3枠6番で4着。内枠を引けば好走可能。さらに今回はこのレースの好走ローテーションの一つ『前走安田記念の休み明け馬』に当てはまるので過去2年より好走期待値も高い。
モズメイメイ 血統B 評価C
父リアルインパクト(ディープインパクト・サンデーサイレンス系)
母父Frankel(サドラーズウェルズ・ノーザンダンサー系)
母母父エンパイアメーカー(ファピアノ・ミスタープロスペクター系)
血統の1つ、1つは悪くないが、メイケイエールと似てバランスを欠く血統構成で、馬場の合う合わないで好走凡走が極端になる馬。中山野芝適性に関しては強調材料は乏しく同型も多く今回は厳しいという印象。
以上、スプリンターズS出走馬血統診断でした。
密かに狙っていたのがジャングロ。
ジャングロは『どうみてもダートでしょ』という血統の馬なので今の中山は合うと思っていただけに除外されたのが残念です。
現時点ではミッキーアイル産駒2頭ナムラクレア、メイケイエールに注目。
穴っぽいところではウインマーベル、オールアットワンスが狙えると思っています。
ただし結局枠順次第な感じのレースなので、最終的に全く違う馬をチョイスする可能性もあります。とにかく枠順確定、さらに土曜の馬場が内伸び馬場か、もしくは外伸び馬場かを見極めて最終結論を出したいと思います。