脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

案の定、高速決着になってしまいました~4/14日曜中山・皐月賞の予想結果~

kakikenです。

 

前回冒頭でアーリントンCでのモレイラ騎手を称賛しました。

皐月賞はさすがに無理だろ」

そう思いつつずっと気になっていましたが……。

モレイラ騎手、本当すごいです。

 

では日曜の重賞GⅠ予想を振り返ります。

今回は長文になりますが、最後にダービーの展望も書いてますので是非最後まで読んでいただきたいです。

日曜中山11R 皐月賞 芝2000М

(予想)

先週中山は重馬場でも内伸び、先行馬場でした。

その影響が今週どうなるか注目でしたが、土曜を見る限りも先週同様の内伸び、先行馬場でした。

基本は先行有利、内有利で、少なくとも昨年のソールオリエンスが大外ぶん回して勝った馬場とは違います。

各馬の詳細に関しては木曜公開の『皐月賞出走馬血統診断』に書いてますのはここでは省略するとして本題に。

じゃあ内枠先行馬を買えばいいのかと言えばそうとは言えません。

真っ先に目につく②メイショウタバル。怪物クラスの可能性を秘めているものの、気になるのがゴールドシップ産駒という点。今の馬場はステイゴールド種牡馬は良馬場では厳しいです。さらに言えば日曜は馬場が硬化して時計が出る馬場になる可能性もあります。そうなると増々厳しい状況。

先行馬が内には揃いましたが外目の先行馬の圧力で厳しい競馬になる可能性もだったら先行馬で狙うなら外目だと思います。

⑭シンエンペラー

欧州色の濃い血統構成は皐月賞向き。並んだら強い勝負根性がある馬、外から被せに行ける今回はこの馬にはプラスになりそうです。

逆に内枠で狙うのは差し馬です。

サンライズジパング

⑤ミスタージーティー

ホープフルSの3,5着馬。サンライズジパングはタフさのある血統構成、荒れ馬場も高速馬場もこなせます。ミスタージーティーは気温上昇で馬場硬化した時に浮上するキングカメハメハドゥラメンテ産駒です。

冒頭挙げたクレバーさを感じる若手は坂井騎手と菅原明良騎手です。

シンエンペラーの坂井騎手には外目で先行、好位からの競馬で直線粘り込むを期待、サンライズジパングの菅原明良騎手には内でロスなく立ち回って直線馬群を割って差して欲しいです。

気温上昇で馬場が硬化、さらには高速化した時はロベルト系、トニービン系の馬を狙いたいところ。

⑯ダノンデザイル エピファネイア産駒

ビザンチンドリーム

ここではビザンチンドリームをチョイス。父ロベルト系エピファネイア産駒で母父トニービンジャングルポケット。タフさ満点で高速決着に強い血統構成です。日曜高速化の匂いがする馬場なら買いです。

他では近年皐月賞トライアルになっている共同通信杯組。

③エコロヴァルツ

⑧ジャンタルマンタル

ジャスティンミラノ

エコロヴァルツも手広く買うなら押さえてよさそうな馬ですが血統構成のバランスの悪さでマイナス。ジャンタルマンタルも血統構成では微妙ですけど、器用さのある馬なのでロスなく立ち回れそうなのでチョイス、ジャスティンミラノも共同通信杯で見せた鞍上の意のままに動ける器用さがあるので今回もうまく立ち回りそうです。

①⑤⑧⑬⑭⑰

絞って軸⑭から①⑤⑧⑬⑰

馬場硬化、高速馬場ならタテ目①⑤⑧⑬⑰のBOXでいいかも。

ちなみに、

⑩レガレイラ、⑨アーバンシックに関してはどうしても気になるのはスワーヴリチャード産駒の底力の有無。血統は違いますがシルバーステート産駒に近い印象というか、走る馬は多いけどどちらかというと2歳戦のような楽なペースの競馬向き、開催前半の状態のいい芝向きな印象。今回は開催後半でタフな馬場、大負けは無いとしても掲示板の下4,5着レベルの不安があるので今回は切ります。

ここであっさり走ればスワーヴリチャード産駒の今後も期待大ですけど……。

(結果)

1着⑬ジャスティンミラノ  2番人気

2着⑫コスモキュランダ   7番人気

3着⑧ジャンタルマンタル  3番人気

5着⑭シンエンペラー    5番人気

9着①サンライズジパング 10番人気

10着⑤ミスタージーティー  9番人気

13着⑰ビザンチンドリーム  8番人気

 

勝ち時計1分57秒1。

皐月賞レースレコードだけでなく中山芝2000Мのコースレコードの決着となりました。

初夏の陽気で馬場硬化、馬場の高速化は予想できましたが、「まさかここまでの馬場になってしまうのか!」という驚き、そしていかに競馬が天候、気温など気象条件に左右されるものだと、改めて思い知らされました。

私の軸馬シンエンペラーにとって唯一の不安が馬場の高速化でした。

日曜中山8Rの芝2000М野島崎特別の勝ち時計1分58秒2が出た時点で正直「シンエンペラーは厳しいな」と思いました。

欧州色の濃い馬は速い時計には限界があります(なので予想ではシンエンペラーが飛んだタテ目も考慮しました)。

「1分58秒台なら何とかなる」と一縷の望みを抱きレースを見ていましたがメイショウタバルが逃げた最初の1000Мが57秒5のハイラップの時点で絶望。

道中少し後ろだなと思いつつも最後の直線では理想的な位置で迎えたあたり、さすが坂井騎手と思いました。

ただ最後の坂の上あたりで苦しそうになっていました。

これが時計的な限界です。

それでも不向きな高速決着で5着は大健闘、強い馬だと思います。

「あ~あ、この初夏の陽気が無ければ……」

運を味方につけられませんでした。

今後シンエンペラーに向きそうなGⅠをイメージすると、重馬場の大阪杯宝塚記念くらいでしょうか。

ダービーに関しては基本高速馬場なので適性が真逆になります。強い馬なのでそこそこ走れると思いますが良馬場では4,5着レベル。不良馬場くらい馬場悪化しないと勝ち負けは難しいでしょう。

 前回皐月賞での高速決着はアルアインが勝った2017年です。ここで今回2着のアルアイン産駒のコスモキュランダと繋がるんですね。

当時アルアインは母馬が短距離馬ということで軽視されていました。

そう言えば今回も母馬が短距離馬で不安とか言ってた人がいたジャスティンミラノが今回勝ちました。

勝ったジャスティンミラノは予想でも評価したように操縦性が抜群で獲りたい位置を獲れる馬。アルアインの年もでしたが、高速決着の馬場は外差しが決まらない基本先行有利の馬場なのです。戸崎騎手がそれを読めていたかは謎ですが(単に前が止まらない馬場だから先行しただけかもしれませんが)結果好騎乗でした。

2着コスモキュランダはディープインパクト記念が強い勝ち方で中山適性の高さを感じていましたがどうしても血統がアメリカン色の強い母系でしかもマイナーな血統構成なのでGⅠでは買えませんでした。ただ結果は、同じ高速馬場で勝利したアルアインの仔が高速馬場で2着好走。

血のドラマを感じました。

それ以上にモレイラ騎手の凄さを感じました。完璧な騎乗でした。

3着ジャンタルマンタルは今回もしっかり馬券圏内に。欧州色の濃いタフな良馬場ではなく、今回のような高速馬場になったのもプラスだったと思います。

結果的に2,3着はアメリカン色の強い血統構成、母系は皐月よりダービー向き。

適性はともかく血統ではタフな中山でも高速馬場になれば欧州色が消え、アメリカン色が強くなるということ(2017年もそうでした)です。

そうなると高速馬場で良いキングカメハメハ系やロベルト系で狙ったミスタージーティービザンチンドリームは母系欧州色が強いので適性が真逆だったことになり、今回大敗したのも頷けます(そう考えるとシンエンペラーの5着は価値があります)。9着サンライズジパングもスピードよりタフさ、パワー系の馬なのでここまでの高速決着だと厳しかったのだと思います。

2017年と似ているといえば、牝馬が1番人気だったということ。

2017年ファンディーナ1番人気7着で今回レガレイラ1番人気6着。

ちなみに2017年はレガレイラの父スワーヴリチャードが出走し2番人気6着。

レガレイラは父スワーヴリチャードと同じ6着。

共通点が多過ぎる2017年と2024年。

ではダービーはどうなるか。

最後にダービーを軽く展望します。

ジャスティンミラノは勝ち負け濃厚です。うまく行けば2冠達成です。

コスモキュランダは中山適性の高さと馬場適性が向いた感じだったので、父アルアイン同様でダービーではさすがに厳しいと思います。ただダービーは底力が無いマイナー血統馬でも2,3着に紛れ込む要素がありますので、私は買うつもりは無いので皐月賞同様に好走されて泣きを見るかもしれませんけど。

3着ジャンタルマンタルは距離不安を言われていますが、今回の結果からダービーでも好勝負可能だと確信。そもそもダービーはマイラーでも来れるレースなので「マイルカップへ行け」的なことをCSで発言していた著名な血統評論家がいますが、私はそれは違うと断言します。

月組では1,3着馬が有力。他では皐月では底力が無いと軽視したスワーヴリチャード産駒の2頭。皐月はアーバンシックが4着、レガレイラが6着。父スワーヴリチャード自身が皐月6着からダービー2着なので『血のドラマ』からは軽視できません。2頭とも母父ハービンジャー、母母父ダンスインザダークで正直マイナス要素が強い母系なのでダービーを勝てる感じはしませんが2,3着候補としては面白い存在です。

皐月賞組でダービー馬券圏内になりそうなのはジャスティンミラノ、ジャンタルマンタル、アーバンシック、レガレイラです

 

 

以上、日曜の重賞GⅠ皐月賞を振り返りました。

競馬ゲームと違って良馬場でも気温次第で異質な馬場になるのが本物の競馬、私がよく言う『競馬は生もの』をまざまざと感じた皐月賞でした。残念ながら思うような結果は得られませんでしたが、そこに競馬の難しさと面白さがありますね。

さて今週から東京、京都開催に変わります。

東京は基本的に馬場傾向が例年通りになりやすいので、人気サイド決着が多いですが馬券は的中しやすい競馬場です。

一方京都は阪神競馬場が改修に入るため、今年からロングラン開催になります。なので芝コースは入念に作り上げている可能性が高いので露骨な内枠有利の馬場になる可能性があります。傾向が例年通りではない可能性がありますので、馬券勝負は慎重にすべきだと思います(昨秋から続く上り3Fの高速化、東京化がこの春開催も続いているかも注視が必要です)。

今週末も3つ重賞があります。福島牝馬SとマイラーズCは現状未定ですが、東京のフローラSは予想公開する予定です。