脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

血統評価だけなら大波乱必至? 有力馬は例年なら2,3着候補止まり~2023年日本ダービー出走馬血統診断~

kakikenです。

 

今回は今週末東京競馬場で行われる日本ダービーの出走馬血統診断を行います。

同じ東京芝2400Мでもオークスとダービーは馬場が別物です。

一言で言うとオークスは重い芝、ダービーは軽い芝。

それはオークスの週までのBコースからCコースにコース替わりすることが大きいと思われます。

一番の違いは上り3Fの速さです。

ダービーは究極の上り勝負になります。

そして血統を見るとアメリカン色の強い母系が好走しています。

これは欧州色が強い母系が好走する皐月賞とは真逆。

では皐月賞を軽視すればいいのかと言えばそうでもなく、昨年の覇者ドウデュースを例にすれば、不向きな中山でもきっちり馬券圏内に好走していました。

逆に皐月賞でドはまり血統だった2016年皐月賞ディーマジェスティはダービーでも3着に好走しています。

さすがに3歳GⅠでは実力差があるので血統重視というわけにはいきませんが、今回もダービー向きの血統かどうかの血統評価と、出走馬のここまでのレースキャリアから見た総合的評価をしたいと思います。

ちなみに日本ダービーはノーザンF生産馬上位独占の年が多いのでノーザンF生産馬は表記しておきます。

すでに枠順が確定していますので枠順通りに羅列していきます。

 

1枠①べラジオオペラ  血統C 総合評価C

ロードカナロアキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父ハービンジャーダンチヒノーザンダンサー系)

母母父サンデーサイレンス

キングカメハメハは良いがキングカメハメハロードカナロア産駒はダービー好走が無い。母系からスピード不足、切れ味不足。東京向きではない。

 

1枠②スキルヴィング 血統B 総合評価A ノーザンF生産馬

キタサンブラックブラックタイドサンデーサイレンス系)

母父シンボリクリスエス(ロベルト系)

母母父アドマイヤベガサンデーサイレンス系)

同じキタサンブラック産駒のイクイノックスが昨年2着しているのでGⅠ級なら問題無いが、キタサンブラック産駒という点以上に気になるのが母母父アドマイヤベガ。GⅠ好走する底力に欠ける血統なのでその影響が心配。ただ東京向きの切れる脚はある。

 

2枠③ホウオウビスケッツ 血統C 総合評価C

父マインドユアビスケッツ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

母父ルーラーシップキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母母父ディープインパクトサンデーサイレンス系)

父、母父が絶対的スピードに欠け、切れる脚も無い。ダービー向きではない。

 

2枠④トップナイフ 血統B 総合評価B

父デクラレーションオブウォー(ダンチヒノーザンダンサー系)

母父スピニングワールド(ヌレイエフ・ノーザンダンサー系)

母母父バンブーアトラス(リボー系)

血統的には重の中山向きで東京ではキレ味不足。ただ前走馬場や展開が向いたこともあるが先行せず7着したことで改めて能力の高さを感じた。昨年タフなペースで先行して3着したアスクビクターモアのような先行策をすればそれなりの結果が出そう。

 

3枠⑤ソールオリエンス 血統C 総合評価

キタサンブラックブラックタイドサンデーサイレンス系)

母父Motivatorサドラーズウェルズノーザンダンサー系)

母母父Quest for Fame(レインボウクエスト・ブラッシンググルーム系)

血統だけ見れば世間が騒ぐほどの絶対的存在ではない。母系が欧州色が強すぎで皐月賞ではドはまり血統だったが逆にハマり過ぎなのでダービー向きではない。雰囲気としてはディーマジェスティに近く2,3着に終わる感じだが、逆にここで勝てれば超大物という評価ができるだろう。

 

3枠⑥ショウナンバシット 血統C 総合評価B ノーザンF生産馬

父シルバーステート(ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父メダグリアドーロサドラーズウェルズノーザンダンサー系)

母母父Awesome of course(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

シルバーステート産駒は基本スローペースの直線勝負向きで、母系もヨーイドン競馬向き。だがら時計も上りも速いダービーの馬場は不向き。皐月賞は5着とそこそ好走したが、今回もし好走したとしても馬券圏内は厳しい印象。勝ち時計2分26,27秒あたりの遅い時計が理想。

 

4枠⑦フリームファクシ 血統C 総合評価C

ルーラーシップキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父スペシャルウィークサンデーサイレンス系)

母母父マキャヴェリアン(ミスタープロスペクター系)

血統構成からはスピード不足、切れ味不足でダービー馬場は合わない印象。

 

4枠⑧メタルスピード 血統C 総合評価C

父シルバーステート(ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父Shamardalストームキャットノーザンダンサー系)

母母父キングズベストキングマンボ・ミスタープロスペクター系)

スローのヨーイドン競馬向きシルバーステート産駒で母系が重い芝、重馬場向き血統で切れる脚も無いのでダービー馬場は合わない。

 

5枠⑨グリューネグリーン 血統C 総合評価C

ラブリーデイキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父スペシャルウィークサンデーサイレンス系)

母母父サクラユタカオーテスコボーイ系)

硬い馬場で時計の掛かる馬場向き、9月の野芝の中山芝が合いそうな血統構成。高速決着、速い上りのダービー馬場は向かない。

 

5枠⑩シャザーン 血統B 総合評価

ロードカナロアキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父マンハッタンカフェサンデーサイレンス系)

母母父Anabaaダンチヒノーザンダンサー系)

過去ダービー好走が無いロードカナロア産駒というのは気になるが母系は悪くない。戦績からもメンバー上位の速い上りが使える馬。皐月賞6着でポテンシャルの高さを証明していて、鞍上の未熟さが不安材料だが東京替わりはプラスで好勝負できそう。

 

6枠⑪ハーツコンチェルト 血統 総合評価

ハーツクライサンデーサイレンス系)

母父アンブライドルズソングファピアノミスタープロスペクター系)

母母父Pine Bluffダンチヒノーザンダンサー系)

ダービー得意のハーツクライ産駒、母系もアメリカン色が強く血統構成は完璧。青葉賞東スポ杯では2,3着だが最速の上りを駆使しており、GⅠのタフな流れも合う。異次元の強さを見せた新馬戦から乗り続けている松山騎手はタスティエーラを降ろされたことが幸運になるかも。不安材料は生産牧場がマイナーだということだけ。

 

6枠⑫タスティエーラ 血統C 総合評価A ノーザンF生産馬

サトノクラウンマルジュノーザンダンサー系)

母父マンハッタンカフェサンデーサイレンス系)

母母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター・ノーザンダンサー系)

血統構成だけなら重馬場血統サトノクラウン産駒ということで軽い高速のダービー馬場は合わない。ただしダービーと相性の良い弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬で、父サトノクラウン自身もダービー3着好走していることからこの馬もポテンシャルの高さから馬券圏内はあり得る。

 

7枠⑬シーズンリッチ 血統 総合評価A ノーザンF生産馬

ドゥラメンテキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父ハーツクライサンデーサイレンス系)

母母父Indygo Shinerエーピーインディボールドルーラー系)

ハーツコンチェルトと並んで血統だけならトップ評価。共同通信杯6着とファントムシーフやタスティエーラに完敗のイメージがあるが、ダービーと共同通信杯では馬場質が違い、ダービー馬場向きの今回は逆転は十分可能。毎日杯1分46秒6で勝っているが過去毎日杯1分47秒を切って勝った馬はその後(ダービー以外かもしれないが)GⅠで必ず馬券になるというジンクスがあるので、その点でも軽視できない。

 

7枠⑭ファントムシーフ 血統C 総合評価B

ハービンジャーダンチヒノーザンダンサー系)

母父メダグリアドーロサドラーズウェルズノーザンダンサー系)

母母父デインヒルダンチヒノーザンダンサー系)

芝2000Мの鬼ハービンジャー産駒ということで皐月賞好走までは納得。ただ東京芝2400Мダービーではハービンジャー産駒の好走イメージはなく(毎日杯好時計で勝ったブラストワンピースはハービンジャー産駒でダービー5着)血統だけなら苦戦必至だろう。ただ実績上位でダービー向きの馬が少ない今年ならポテンシャルの高さで好走もあり得る。

 

7枠⑮ノッキングポイント 血統B 総合評価B ノーザンF生産馬

父モーリス(スクリーンヒーロー・ロベルト系)

母父キングカメハメハキングマンボ・ミスタープロスペクター系)

母母父サンデーサイレンス

祖母ハッピーパスということで芝1400・芝1800・芝2200と非根幹距離タイプで、距離や切れ味勝負の馬場は合わない印象。ただ毎日杯でシーズンリッチと差のない2着、好時計好走していることからタフな流れは合いそう。

 

8枠⑯パクスオトマニカ 血統B 総合評価B ノーザンF生産馬

ヴィクトワールピサネオユニヴァースサンデーサイレンス系)

母父ディープインパクトサンデーサイレンス系)

母母父Includeブロードブラッシュ系)

サンデーサイレンス系のクロスの血統構成は底力に欠けるのでGⅠでは足りない印象。しかし母系を見ると18年覇者ワグネリアンに近いものがあり、父ヴィクトワールピサもダービー馬ネオユニヴァース産駒ということで馬場は合いそう。

 

8枠⑰ドゥラエレーデ 血統B 総合評価B ノーザンF生産馬

ドゥラメンテキングカメハメハミスタープロスペクター系)

母父オルフェーヴルステイゴールドサンデーサイレンス系)

母母父Orpen(ダンチヒノーザンダンサー系)

血統的には母父オルフェーヴルが微妙。タフさ満点でスピード不足、切れる脚は無いタイプで、好走するには昨年3着のアスクビクターモアのようなハイペースな先行が出来るかどうかがポイント、直線先頭で押し切りを狙う競馬が理想。

 

8枠⑱サトノグランツ 血統B 総合評価B ノーザンF生産馬

サトノダイヤモンドディープインパクトサンデーサイレンス系)

母父Oratorioデインヒルノーザンダンサー系)

母母父Hernando(ニジンスキーノーザンダンサー系)

先週オークスで5着好走したシンリョクカがサトノダイヤモンド産駒ということでサトノダイヤモンド産駒としては馬場は合いそう。ただ母系は重い芝向きでスタミナ寄りの馬なので、正直東京の切れ味勝負では分が悪いが京都開催の京都新聞杯好走馬はダービーでも好走するケースがあるので注意は必要。

 

 

以上、日本ダービー出走馬血統診断でした。

血統だけなら上位人気馬ソールオリエンス、タスティエーラ、ファントムシーフはイマイチで、スキルヴィングもGⅠでは底力不足を感じます。

血統評価通りなら上位人気馬総崩れの大波乱なのですが、さすがに血統を能力の高さで補う馬が好走するとは思います。

現時点で血統の良さと戦績の内容から⑪ハーツコンチェルト、⑬シーズンリッチに期待しています。

展開面で追い込みがハマるのを期待するのが⑩シャザーン。

基本先行有利の馬場になりそうなので、ソールオリエンスや人気馬は先行するドゥラエレーデをマークすると思います。その結果で漁夫の利を得る追い込み馬があるとすれば⑩シャザーンは面白い存在だと思います。

逆の展開、ソールオリエンスの差しを警戒するあまり、逃げ先行馬への警戒が弱まった場合は⑰ドゥラエレーデが先行して粘りそうです。

現状結論は超大物かもしれない⑤ソールオリエンスを入れた5頭BOX

⑤⑩⑪⑬⑰

 

毎回下手な考え休むに似たりになっていますが、一応土曜の馬場チェックと最終的な能力比較をして最終結論をだそうと思います。