脱4着競馬研究室

孤高の競馬アナリストの予想奮闘記

騎手は4着で満足でしょうけど~10/10日曜・京都大賞典&毎日王冠の予想結果~

kakikenです。

 

「2位じゃダメなんですか?」

なんてこと言って今では笑われ者の無能な政治家もいますけど、

「4着じゃダメなんですか?」

なんてこと言えば

「ダメに決まっているだろ!」

で終り。それが競馬予想家です。

 

では、日曜の重賞予想を振り返ります。

日曜阪神11R 京都大賞典 芝2400М

京都芝2400Мと阪神芝2400Мは距離は同じでも性質が全く違います。

京都芝2400Мだと最後の3~4コーナーの下り坂で加速できるので切れる脚のない馬が好走するケース『下り坂理論』が通用。代表馬として京都の鬼トーセンラーが思い出されます。逆に阪神芝2400Мは神戸新聞杯にわかるように直線での切れ味勝負というイメージ。自力で切れる脚がある馬が好走するイメージです。

今回のメンバーは『京都向き』の馬が揃った印象です。勝ち味の遅いツメの甘い馬が揃いました。

まず、その中でも阪神向きだと思われる馬をピックアップします。

①アイアンバローズ  オルフェーヴル産駒

オルフェーヴル産駒。現役時代のオルフェーヴルも京都の下り坂が苦手でしたが産駒にもそのイメージがあります。ただし土曜の阪神を見る限り、オルフェーヴル産駒が向く馬場なのか微妙でしたが、差し展開の切れ味勝負になれば浮上。

⑬ロードマイウェイ  ジャスタウェイ産駒(ハーツクライ

全く人気薄ですが阪神コースではGⅠ大阪杯以外掲示板を外していません。さらには初週のフカフカ芝の馬場が合う馬。実績から距離が長い感じですけど血統的にも阪神芝2400Мが合うトニービンの血が父、母父にある馬。3着ならあり得る気がします。

⑭ヒートオンビート   キングカメハメハ産駒

戦績で一目瞭然の自力で切れる脚がある馬。土曜の阪神芝はイメージから野芝色が強い感じでしたが、野芝中京で行われたローズステークスでも指摘したように父キングカメハメハと母父ディープインパクトの血統構成はGⅠではイマイチですが、野芝色が強い馬場が一番合う馬。この馬もここが一番の狙いところ。ただ阪神コースの読みがイマイチな関東の戸崎騎手ということで軸に出来ず、4,5着の怖さもあります。

 

次は人気2頭について。

アリストテレス

京都なら不動の本命ですが、阪神コースでツメの甘さが出そうです。ただ他のメンバーもツメの甘い馬ばかりなので消去法でこの馬が上位に来てしまいます。ストロングポイントとして母母父トニービンがある点。

⑪キセキ

この馬は切れる脚が無いので切れ味勝負は向きません。逃げても差してもツメの甘い結果ばかり。私はこの馬は大逃げ馬だと思っています。今回和田騎手鞍上なので思い切って先行させる可能性があり、この馬の競馬が出来る可能性が高いとみています。

①⑨⑪⑬⑭

結論としてはキセキが自分の競馬をすれば同型の先行馬が撃沈するはず。そうなると狙いは差し馬です。それが冒頭挙げた阪神タイプの3頭。人気薄ですが岩田騎手、戸崎騎手よりは信頼のある松山騎手鞍上のロードマイウェイに一発を期待。

馬券的には⑪キセキから①⑨⑬⑭が本線です。

(結果)

1着⑧マカヒキ      9番人気 ノーザンF生産馬

2着アリストテレス   1番人気 ノーザンF生産馬

3着⑪キセキ       4番人気

5着⑬ロードマイウェイ 12番人気

8着⑭ヒートオンビート  2番人気 ノーザンF生産馬

12着①アイアンバローズ  3番人気 ノーザンF生産馬

 

軸馬⑪キセキは3着。穴馬で期待したロードマイウェイは5着。

キセキから馬連、ワイドを買っていたのでワイド⑨ー⑪650円的中。

マカヒキにやられたな、というかんじですね。

実はマカヒキに関しては予想の段階でこんなことを思いめぐらせていました。

「この馬8歳か。いつまで走らされるんだろう。ダービー馬なのに種牡馬になれないのはスピードが無さ過ぎるからだろうな」

私の評価としては重馬場のGⅠでは4、5着が取れる馬なので、今回もマカヒキに関しては重馬場で浮上する差し馬だと判断しました。

そこが失敗でした。

勝ち時計は2分24秒5。中盤4Fのハロンラップが全て11秒台と淀みない流れでタフなペースになり、キセキ向きの流れになりました。切れ味勝負でなくなったことで同時にアリストテレスにも向き、マカヒキにも向いたのだと思います。

切れ味、上り勝負で浮上すると思われた①アイアンバローズ⑭ヒートオンビートの惨敗は当然です。キセキを軸にして切れ味信条の馬を相手に選ぶのは矛盾しているようですけど、イメージとしてはキセキがある程度大逃げして、他の馬たちは緩いマイペースの競馬をするという考えからの予想だったと思います。

結果的にキセキはアリストテレスに交わされ、アリストテレスマカヒキに差される形になりました。キセキにとってはペースは合いましたけど、ポジションとしては中途半端、無難に乗った感じがしました。無難に乗ったから無難に3着だったと思います。この馬のベストは大逃げだと私は思っています。

あと今年の阪神芝のタフさを感じました。阪神の芝のクッション値が昨年の秋開催より数値が低い、柔らかい馬場だということ(昨年開幕週11月クッション値9.5~10.5。今年8.8~8.9)も含めて12週間開催で相当芝をフカフカに設定して、それがタフな重たい馬場を作り出していたのでしょう。阪神唯一の芝2400Мの重賞・神戸新聞杯を安直にイメージしてしまいましたが、全く別物の馬場でした。

最後に人気薄激走を期待した⑬ロードマイウェイについて。『GⅠ大阪杯以外すべて掲示板』と予想で書きましたがその通りの5着。コース相性の良さを証明しましたが、馬券を買う人間にとっては中途半端な結果。タフな流れが向いて5着に流れ込んだ感じもしますが、もう少し緩い流れのほうがこの馬には合った気もしました。今後も阪神出走の際はマークすべき馬です。

 

日曜東京11R 毎日王冠 芝1800М

土曜の芝レースを見る限り、東京らしい道中が緩むレースが多かったです。直線が長いから差せると思うのでしょうけど、仮に日曜道中が流れても、重賞レベルでは直線で簡単に先行馬が止まる雰囲気はどうみてもないです。

雨で渋ればある程度差せるイメージですが良馬場なので差し馬は厳しいと思います。

なので狙いは逃げ先行馬。

⑧ダイワキャグニー

⑬トーラスジェミニ

この2頭が粘れるかどうかのレースです。

①シュネルマイスター、⑦ダノンキングリーがけん制し合って前が楽をできれば粘れるはずなのですけど。

基本的にはこのレース堅いと思います。

①シュネルマイスター⑤ポタジェ⑦ダノンキングリー⑫ヴァンドギャルドの人気上位4頭のレースだとは思います。

正直①シュネルマイスター、⑦ダノンキングリーを軸にするレースです。

血統的には⑫ヴァンドギャルドが一番合いそうなのですけど、問題は脚質。差し馬なので届かない可能性があります。かといって早めの競馬をしたら、前々走の東京新聞杯6着のように切れ味がそがれます。上位争いすると思いますがリスクがある馬です。

⑤ポタジェも過去毎日王冠を勝っているルージュバックの半弟で全レース馬券になっているので軽視できませんがスケール的にパンチ不足で3着が精一杯かなと。

①⑦⑤⑧⑬

馬券の結論として、

ガチガチの人気馬馬券ではつまらないので、今回狙いは⑧ダイワキャグニー、⑬トーラスジェミニから、⑧か⑬どちかが3着に残る想定で上位人気4頭へワイド馬券です。⑧ー①⑤⑦⑫ ⑬ー①⑤⑦⑫

(結果)

1着①シュネルマイスター 1番人気

2着⑦ダノンキングリー  2番人気

3着⑤ポタジェ      4番人気

4着⑧ダイワキャグニー  8番人気

8着⑫ヴァンドギャルド  3番人気

11着⑬トーラスジェミニ  6番人気  

 

馬券的には不本意、悔しさだけですけど、予想としては満点だと思います。

読み通りのレースをしてくれました。トーラスジェミニが逃げて、ダイワキャグニーが2番手。ダノンキングリー、シュネルマイスターが予想以上に後方の位置取り。

「これは残れる!」

スタートして位置取りを確認した瞬間そう思いました。

実は日曜は直前までの芝レースで差しが決まる結果が続いていました。しかし私は『差せるイメージが先行馬へのマークを緩くする』と確信していましたからしてやったりの流れになりました。

最後の直線、カイザーミノル、ポタジェは早めに先頭に並びかけますが、ダイワキャグニーは追い出しをギリギリまで我慢しているのがわかりました。差せる馬場だという意識が騎手にあったのでしょう。

これが吉だったのか凶だったか?

騎手としてはベストジャッジと思っているんでしょうけどね。私としては我慢し過ぎだったと思っています。

ダイワキャグニーは5着カイザーミノルには最後まで交わされることが無かったですがポタジェには最後の最後で差されて4着。

毎度毎度の最後の最後で差されるパターンに怒り心頭しました。

レース後騎手は『よく頑張ってくれた』と年齢を重ねても好勝負できた馬を讃えていました。関係者からすれば人気薄の馬で4着は上出来で、それを導いた騎手にも好印象が残るでしょう。

しかし予想家は4着では評価されないのです。私はこのブログでも過去に、18番人気4着など、数々の人気薄馬を買って4着という実績があります。

しかし誰も評価してくれません。外れた、損した。それだけです。

それに比べて騎手は「よくやった」と褒められ、自己満足している。

平凡が非凡にならず、平凡で終わる。

日本には一流騎手が少ない理由はこの辺りでしょうね。

もちろん頑張ったとは思いますよ。でも絶対に3着に残れるレースだったはず……。

 

対照的に非凡だったのがルメール騎手ですよね。スタートイマイチでしたが慌てずに後方で泰然自若。よほどこの馬に自信があるのでしょうかね。一方、ダノンキングリーは今回スタートで後手を踏んて中盤早めに押し上げていったことで、最後の最後動かなかったシュネルマイスターに最後差し切られた結果になりました。

もともとこの2頭が1,2着だと思っていたのでこの結果は予想通り。

3着のポタジェはデビュー以来全て馬券圏内をキープ。これは立派です。ツメが甘いので京都でのマイルチャンピオンシップなら『下り坂理論』で面白い存在になりそうですけど京都開催はしばらくないのが残念です。

⑫ヴァンドギャルドは予想で指摘した通り、今回は中団で競馬をしてしまい、直線差し脚がそがれて8着。シュネルマイスター同様思い切って後方から乗っていれば違った結果が出ていたと思います。

 

 

 

以上、予想を振り返りました。

馬券は不本意な結果でしたが、予想としては悪くなかったと思います。

今週末は阪神でGⅠ秋華賞があります。大阪杯のイメージで予想する感じになりそうですけど、今の阪神芝はタフさを感じる芝なので、春の実績など度外視してもいいかもしれません。そして血統がものを言う可能性があるので、週末前に秋華賞出走馬の血統診断をしようと思っています。